髪の悩みが増えると、「サロントリートメントをした方がいいの?それともお家のトリートメントで十分?」という疑問を持つ方は多いはず。
今日は、美容師の視点から“二つのトリートメントの本当の違い”を、できるだけ専門的な部分もわかりやすく噛み砕いてお話しします。
そもそも「トリートメント」は何をしている?
トリートメントの基本的な役割は 髪のダメージ部分に不足している成分を補い、状態を整えること。
髪は死んだ細胞でできているため、肌のように自己修復することはありません。
そこで、トリートメントは外部から栄養を補い、質感をコントロールするために存在します。
サロントリートメントとホームトリートメントの“決定的な違い”
① 配合成分の濃度と分子サイズが違う
サロントリートメントは、
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補修成分の濃度が高い
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CMC(細胞膜複合体)・ケラチンなどの補修成分の分子サイズが細かく、深部まで浸透しやすい
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複数工程で内部→中間→表面の順に構築できるように設計されている

CMCについてはこちらの記事で深掘りしているのじゃ⇨【美容師が解説】CMC(シー・エム・シー)とは?髪の“水分・柔らかさ・薬剤の通り道”を作る最重要成分
一方、ホームトリートメントは、
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過度なダメージに対応するほど高濃度成分は入れられない
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誰が使ってもトラブルが起きないように“マイルド設計”
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表面の手触りアップや日常ケアがメイン
つまり、**サロンは“深部まで補修”、お家は“状態維持と表面ケア”**という役割の違いがあります。
② 施術工程が全く違う
サロンでは1〜4ステップの多層構造のトリートメントが主流です。
例:
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内部補修(ケラチン・PPT・CMC)
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中間補修(保湿・結合強化)
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表面コート(キューティクル保護)
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熱処理で成分定着(アイロン・超音波アイロンなど)
工程1つ1つが目的を持っており、**髪の内部に“定着させる仕組み”**が組み込まれています。
ホームケアは基本1ステップ。
効果はあっても、サロンほど複雑な内部定着までは行えません。
③ 熱処理(処理温度)と機材の差
サロンでは
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超音波アイロン(振動で浸透を促進)
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微弱な熱でのキューティクル整形
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スチームで保湿と膨潤をコントロール
など、薬剤の効果を最大化するための機材が揃っています。
家庭用は熱を与えるのはドライヤー程度。
そのため、浸透・定着の度合いが桁違いになります。
効果の持続力の違い
◆ サロントリートメント
持続:2〜6週間(ダメージレベル・施術内容により変動)
内部補修がメインのため、手触りやまとまりが長持ち。
◆ ホームトリートメント
持続:1〜3日程度
日常の摩擦・紫外線・熱ダメージから守る“コーティングの役割”が強い。
美容師から見た“賢い使い分け”
結論から言うと…
サロントリートメントは“集中補修”、ホームケアは“維持と予防”。
この2つをセットで使うことで髪質は最大に良くなる。
たとえるなら、
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サロントリートメント=病院の集中治療
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ホームケア=毎日の食事と生活習慣
という関係です。
どちらが欠けても、髪の状態はベストになりません。
おすすめのケアサイクル
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サロントリートメント:1〜2ヶ月に1回
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ホームトリートメント:毎日のシャンプー後
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集中ケアマスク:週1〜2回
このバランスが最も効果を実感しやすいです。
まとめ:髪を本当に綺麗にしたいなら“両方必要”
サロンとホームケアは「どちらが良い」ではなく、
役割が違うから両方必要というのが美容師としての結論です。
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サロン → 内部補修して土台を作る
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ホーム → 日々のダメージから守り、効果を長持ちさせる
この2つが噛み合うことで、
髪のツヤ・まとまり・色持ちが圧倒的に変わります。
髪を綺麗に育てたい方は、ぜひ「サロン+ホームケア」の二刀流でいきましょう!


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