美容院のメニューやトリートメント説明でよく聞く PPT(ピー・ピー・ティー)。
「なんとなく髪に良さそう」
「タンパク質ってことは知ってるけど…」
くらいの認識の方がほとんどだと思います。
でも実はPPTは、
ダメージ毛の質感改善の“根本”に関わる超重要成分。
この記事では美容師の視点から、PPTの役割を専門的に、でも一般の人が読んでも理解できるように解説していきます。
■ PPTとは?一言でいうと“タンパク質の補修成分”
PPTは Protein(タンパク質) + Polypeptide(ポリペプチド) の略。
簡単に言えば、
髪の中から失われたタンパク質を補うための、分解された“栄養パック”のようなもの。
髪の8〜9割はケラチンというタンパク質でできています。
カラー・ブリーチ・パーマ・熱ダメージでタンパク質が流出すると、
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ハリコシがなくなる
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ぷつぷつ切れる(断毛)
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毛先がスカスカ
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広がり・パサつき
といった“ダメージ毛特有の状態”になります。
そこで髪の内部に入れやすいように、分子を細かく分解したものが PPT です。
■ PPTには種類がある ─ ケラチン・コラーゲン・シルクの違い
同じPPTでも種類によって働きが違います。
● ケラチンPPT(もっとも補修力が高い)
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髪の主成分と同じ
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ハリ・コシUP
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ダメージホールの補強
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パーマや縮毛の前処理に最適
→ ダメージの“芯”を補強するメインPPT。
● コラーゲンPPT(柔らかさ・保湿力が高い)
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水分保持力が高い
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しっとり柔らかな仕上がり
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乾燥毛向け
→ 硬い髪・広がりやすい髪 の質感改善に◎
● シルクPPT(ツヤと指通りが抜群)
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表面のツヤUP
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キューティクルの整え
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軽い質感
→ カラー毛のツヤ出しに最適。
■ PPTはどう働くの?美容師が使うと効果が高い理由
● ① 髪の内部の“空洞”(ダメージホール)を埋める
カラーや熱ダメージで髪内部にできる穴。
PPTはそこに入り込み、骨格を補強します。
● ② 分子サイズを調整して深く浸透させる
サロン専用のPPTは
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分子が細かい
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流れにくく加工されている
ため、内部まで入りやすく、補修力が高い。
● ③ 他のトリートメントの“土台”になる
PPTが内部でしっかり働くと、その上に続く
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CMC
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保湿成分
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表面コート
などが髪に定着しやすくなり、仕上がりが安定します。
■ PPTの注意点:実は“やりすぎると逆効果”になることも
PPTは補修成分なので有効ですが、使いすぎると
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ゴワつく
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硬くなる
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引っかかりが出る
といった“タンパク質過多”の状態に。
特にケラチンPPTは硬さが出やすいため、
美容師でも毛質判断を間違えると逆効果になるほど繊細な成分です。
→ ホームケアで使う場合は“高濃度は避けてOK”。
■ サロンのPPTと市販のPPT、何が違う?
● サロンのPPT
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濃度が高い
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分子が小さく浸透しやすい
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必要な場所に吸着しやすく作られている
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前処理・中間処理でカスタマイズ可能
● 市販のPPT(ホームケア)
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安全性重視でマイルド
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表面ケアや軽い補修が中心
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やりすぎのリスクが少ない
■ どんな人にPPTが合う?
✔ ブリーチ毛
✔ ぷつぷつ切れる
✔ ハイダメージでスカスカ
✔ 髪が細くてハリがない
✔ パーマ・縮毛のモチを上げたい
こういった髪質にはPPTは非常に効果的。
逆に、
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硬毛
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エイジング毛で硬さが出やすい
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もともとしっかりした髪
は、PPTよりCMC・保湿系が合うこともあります。
■ まとめ:PPTは“髪の内部を補強するタンパク質”の主役
記事の要点をまとめると…
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PPTはダメージ補修の基本
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失われたタンパク質を補い、髪の芯を整える
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ケラチン・コラーゲン・シルクで働きが違う
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過剰に使うと硬くなるのでプロ判断が大切
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ブリーチ毛やハイダメージ毛に特に有効
サロンケアとホームケアでうまく使い分けると、
髪の質感は驚くほど変わります。

当ブログ別記事ではCMCについても紹介しているぞ。


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