
こんにちは、現役美容師のマタギおじさんです。
今回は「白髪染めと普通のカラー(ファッションカラー)の違い」について、美容室の現場目線でわかりやすく、でもちょっと専門的に解説してみたいと思います。
「白髪染めって老けて見えるんでしょ?」
「まだそんな歳じゃないから、普通のカラーでいいかな…」
そんな声をよく聞きますが、それは一昔前のイメージかもしれません。
最近の白髪染めは、明るさ・透明感・デザインの幅も広がってきています。
この記事では、お客様からよく聞かれる疑問や、実際の現場での提案の仕方なども交えながら、できるだけわかりやすく書いていきます。
1. 白髪染めとファッションカラー、何が違うの?
■ そもそもカラー剤の目的が違う
種類 | 目的 | 特徴 |
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白髪染め(グレイカラー) | 白髪にしっかり色を入れる | 染料濃度が高く、色が沈みやすい |
ファッションカラー | 黒髪を明るく・カラフルに見せる | ブリーチ力が強く、染料は薄め |
白髪染めは、メラニンが無い白髪にも発色させる必要があるため、色素(酸化染料)が濃く調合されています。
具体的には:
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ジアミン系染料(パラフェニレンジアミンなど)が高濃度に配合されている
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アルカリ剤と過酸化水素(2剤)のバランスもややマイルド
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染着力を上げるため、色味はやや重ため・深めの設計
一方、ファッションカラーは、
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髪のメラニンを脱色する「ブリーチ力」が高い(主に1剤のアルカリ量)
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染料は鮮やかで、透明感や寒色系も出しやすい
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ただし、白髪には色が入らない、または浮いて見えることが多い
2. 白髪染めでも明るくできるって本当?
はい、できます。
ただし、「染める技術」と「薬剤選定」がカギになります。
◉ 明るい白髪染めが可能な理由:
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各メーカーから**明度高めでも染まる白髪染め(10〜13Lv対応)**が登場
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白髪に染料が乗りやすいブラウンコントロール設計が進化
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白髪率に応じて「ミックスレシピ」が一般化
→ 例:ナチュラルブラウン6:アッシュブラウン4 など
実際に、白髪が30%くらいの方でも、9〜10レベルくらいの明るさで自然にカバーできるようになっています。
さらに、最近は**白髪をぼかす「脱白髪染め」**という提案も増えています。
3. 白髪染めとファッションカラー、どちらが向いている?
これは「白髪の量」と「ライフスタイル」によって変わります。
▼ 白髪染めが向いている人
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白髪が20〜30%以上ある
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白髪が前髪・顔まわりに集中していて気になる
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色持ち重視(リタッチを1ヶ月以内にしたい)
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白髪が浮くと気になる or 見られたくない仕事をしている
▼ ファッションカラーが向いている人
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白髪が10%未満でまだ少ない
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明るい色、寒色・透明感のあるカラーを楽しみたい
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白髪が浮いても気にならない or 活かしたい
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頻繁にカラーするのが苦手で、伸びても自然に見せたい
4. 現場でのリアルな提案例
40代前半のお客様。
「白髪が気になるけど、白髪染めは暗くなりそうでイヤ」とのこと。
カウンセリングの結果:
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白髪率は全体で15〜20%(主にこめかみ)
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髪色は9Lvくらいのベージュブラウン希望
この場合、白髪染め単品ではなく、ファッションカラーに白髪染めを少量ミックスした「ハイブリッドカラー」で対応。
→ ファッションカラー 8NB + グレイカラー 6N(3:1)
→ 全体をトーンアップしつつ、白髪もしっかりカバー
→ 周囲から「垢抜けた!若く見える!」と好評だったそうです
5. 美容師として伝えたい「白髪との向き合い方」
昔は「白髪=すぐ隠す」「暗く塗りつぶす」が主流でした。
でも今は違います。
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白髪を「活かす」スタイル(ハイライト・脱白髪染め)
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白髪を「自然にぼかす」方法(明るめブラウン+スジ感)
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白髪の生え方・クセ・ボリュームまで考えたカラー設計
美容師にとって白髪は「悩み」ではなく「設計要素の一つ」です。
あなたらしいカラーを一緒に作っていくために、白髪があることを前向きに捉えてもらえたら嬉しいです。
6. まとめ
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白髪染めとファッションカラーの違いは「目的」と「処方設計」
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今は白髪染めでも明るく・透明感のあるカラーが可能
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白髪の量や希望スタイルで、薬剤や染め方を柔軟に選ぶ時代
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「どれを使うか」より「どう見せたいか」が大切
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迷ったら美容師に正直に相談を!
以上、現役美容師からの「白髪染めと普通のカラーの違い」についての解説でした。
ブログやSNSで「白髪染め=老ける」という先入観に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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